「信ずるものは欺される-国際社会」
水島総・頑張れ日本!全国行動委員会幹事長
休憩時間中
経済評論家・作家の三橋貴明氏
葛城奈海(女優・キャスター・予備陸士長)氏
櫻井よしこ 群馬経済同友会 講演会を聞いての一言
http://pub.ne.jp/Indianinkworld/?entry_id=4191837
こういう部分を旧保守派の米国依存志向と言うことを言われていた。
英語は話せても経済学が分からない経済学者達のつけ
日本の円高が止まらない。
なぜ円高なのかと言えば、日本の国債のほとんどは日本で買われているように預金、貯金が膨大にある国。本当の意味でリスクの少ないお金持ちの国であるわけである。
ドル安ユーロ安、そもそも米国もEUも赤字を抱えてその埋め合わせも出来ないからであるし、この際そのドル安ユーロ安を利用して金を呼び込もうとしている。
ここで経済界は、日銀に何とかしろと言っているようだが現在の政策金利0.1%をゼロ金利政策に移行しても景気が良くならないし、この円高が止まるわけではない。
それは、既に何度も実験済みであろう。
そして、日銀が為替に介入したとしても、米国もEUも協調介入するわけではないし逆にこれ幸いと大損させられると言うのが関の山である。
しかも、ゼロ金利政策に移ればデフレが余計深刻化する。
なぜなら、金利が安くなれば銀行としては貸し出しリスクが益す。日本だけか超低金利の頃は、円キャリートレードが盛んで米国のファンドに投資すれば事足りた。
ところが、世界中が超低金利時代になれは、日本の低金利は何の役にも立たない。
銀行は国債を買って市場には金が出回らない。
なぜこんな事になったのかと言うのは、英語は話せても経済学が分からない経済学者が沢山いたと言うことである。
読売新聞では「企業の国際化 英語が社内公用語となる時代(8月25日付・読売社説)」と楽天やファーストリテイリングを持ち上げている。
そして、「グローバル化が進む中で、日本企業が必要に応じて英語を社内の共通言語とするのは、時代の要請と受け止めるべきだ。」というのも所詮ワンマン企業だ。
よくよく見てみれば、楽天がやっているのはモールと言うより、主要事業は「金融」であることが分かる。
ファーストリテイリングも所詮小売業。資本さえあれば中国でもマネが出来るものであるし、利益が出るのは消費国のみ。
読売社説では「ある意味で極端とも言える『英語公用語化』は、社員の意識改革を徹底させる“ショック療法”と見ることも出来る。」と書くが、結局そんな無駄なものに時間が取られて結果がどうなるのかは今後注目ではある。
ここで又バブル時代を持ち出すが、この時代というのが経済学者が単なる米国経済をそのままに請け売りする実体経済が判らない鸚鵡経済学者かどうかである。
バブル直後の経済状況分析では、デフレの兆候が出てデフレスパイラルの入り口にあったと言うことは、失われた10年なり、20年と言う言葉が使われるとおり明確である。
ところが、その当時の経済企画庁の官僚という政府エコノミストそして、いわゆる御用学者、その他諸々の経済学者は何を言っていたかと言えば「景気循環論」であった。
1989年8月、女性初の民間人閣僚として第1次海部内閣で(当時)経済企画庁長官に就任した高原須美子氏。(1989年8月10日 - 1990年2月28日)(総量規制1990年3月)
退任して直ぐ、バブルが弾けた後この高原氏を招いた経済講演会があった。
この講演会で述べられたのがなんとバブル期の好景気の話し。
「仕事はいらないから、もっと休みをくれという労働組合」の話は憤懣ものだった。
それで不動産業者が不動産市場を建て直すにはと質問したところ、(一瞬にして顔色が変わったように)けんもほろろに不動産市場などどうでも良い、不動産と景気は関係ないと言い切った。
牧野昇氏という、著名なテクノ・エコノミストだかシンクタンクの創設者とか言われている人物がいる。当時は三菱総合研究所副社長だったか、会長だった。
この牧野昇氏は、1990年3月の総量規制直後バブル崩壊後の日本経済を甘く見ていて、そのうち景気が良くなりますとやはりこの景気循環論者であった。
その牧野氏も住専処理の問題が出で来る前の1992年初頭頃になると「景気循環論」ではないらしいとやっと言い出すのである。
その後、バブル経済の後遺症は続くのだが、やはり「住専処理」によって二段底になった。この「住専処理(1995~6年~)」の経済に対する評価というのは実際はなされていないのではないか。少なくともその後に及ぼした土地暴落結果というのは、この住専処理とその処理のために作られた整理回収機構の土地の投げ売りによるものが大きい。
いずれにせよ、バフル崩壊後の日本経済の運営の仕方は従来からの実際の日本の経済の仕組みとは違って米国型の経済によって立て直そうとした。
分かりやすく言えば、日本にもIMFの隠れエージェントと言うべき鸚鵡経済学者が日本経済を潰したと言える。
景気が良くなる大原則は、国民の資産が増えること。これは間違いない事であろう。
バフル崩壊後は、国民の資産の大部分を形成する不動産の価値をなくし、残った預金、貯金は超低金利政策で元本に手をつけないとならない様になった。
その上、株投資をしていた人達はその資産をバブル期の何分の一かにまで減少すれば、国民は貧乏になったと思わざる終えない。
専修大学名誉教授(経済学)正村公宏先生は、バブルの原因を「1980年代後半、貿易黒字拡大と円高不況に対処する超低金利がバブルを誘発し、‥‥」と理由づけしている。
これはこの国民の資産を経済指標に入れないという考えのために、間違いの元になっている。
「超低金利がバブルを誘発」と言うことなどあり得ない事は、現在全く同じ状況下で「バブル」が生じない事で明らかである。
バブル時代の直前には年9%という高金利の時代があり、国民の懐が豊かだった。
そして実際は、政策金利が下がってもそんな金利が適応されない業種もあると言うことである。
事実ゼロ金利政策が実施された頃でも、10.25%の金利が適応されていた中小企業などざらだったのである。
現実の経済と紙の上に書かれた経済とでは、全く違うと言うのは末端の国民はわかっている事である。
日本の国の指導的地位のある人達は、例えば「自分は米国帰り」という様なエリート意識をひけらかせるが、所詮戦前の陸軍 の「天保銭」と呼ばれた陸大組の参謀と大差ないという事が明らかである。
それは、デフレ経済から20年も抜け出せない今の日本経済で証明されたようなものなのである。
低金利政策からの脱却が唯一の道
2010/08/21の読売新聞朝刊を見たら「閣僚、相次ぐ日銀批判・高まる追加緩和圧力」(第8面)と言う見出しが経済覧のあった。
一方第9面は、「『日本型デフレ』米欧懸念・決め手欠く中央銀」である。
ここで新聞にも書かれているとおり、日銀はほとんどゼロ金利政策になっているから緩和措置は限られている。
読売新聞でも「市場関係者が挙げるのは、
〈1〉年0・1%の固定金利で貸出期間3か月の資金を供給する「新型オペ」の拡充
〈2〉政策金利を現在の年0・1%から引き下げて「ゼロ金利」に戻す
〈3〉長期国債の買い入れ額を増やし、長期金利を抑えながら財政を支援する――といった手法だ。
既に長期金利は年1%を下回る水準に下落しており、『金利低下の余地は乏しい』(ストラテジスト)。追加緩和で金利が下がり、円高に歯止めがかかる保証はない。」
と述べている。
その手詰まり感のある経済議論では、景気回復なのか消費税増税の別議論なのか妙な話がある。
それは、国民の貯蓄が悪い、貯蓄、預金を崩させて市場に流せ、そのためには「貯蓄税だ、逆金利だ」と典型的な米国式経済しか頭にないエコノミストの論である。
この議論とは何かと考えていたら、あのバブルの頃の「不動産所有が悪い、無価値にしろ」という議論と根本的には同じだった。
国民の80%が持っている不動産の価値が下がれば、国民の資産が目減りしてデフレになり景気が悪くなるというのは当たり前のことである。
ここで違うのは、米国では資産を債権で持ち、日本では不動産と預金で持つという違いである。
不動産の方は、充分下がって価値がないものになったから、残る国民の資産とは預金、即ち現金である。
ここで現金を吐き出させて、国家がその現金を取りあげる。
これは映画で見る悪代官の様な仕業で、「逆金利」を主張する証券会社にとっては逆に都合がよい。
但し、「逆金利」というのは、世界中存在しないからもし実施したすれば、日本から外国の国債に金が外に出て行くと言う事になる。
そんなことになれば、銀行から預金は引き出され、短期的には有り余った日銀から金を借り出すものの最終的に日本の国債を売却することになる。
なんのことはない、「逆金利」にすることによって日本の国債は暴落して、それこそEUのどこかの国の二の舞になる。
実際、こんな事を散々垂れ流していたのがTV朝日の朝の番組であったことは以前述べた。
NHKが株式投資を推奨したり、不動産投資を推奨したりする番組を放映したら、それは逆の方向へ行くと言うのは、通り相場である。
こういう人達が真剣に言う場合は、その政策は間違いであるというのは間違いないだろう。
その昔、バブル経済の直前、不動産不況の頃。
NHKは特集で、住宅やマンションを買うのと、賃貸で一生暮らすのとではどちらが得がと言うことをやっていた。
結論は、初めからわかっている事で「賃貸が得」である。
それで直ぐ一年後にバブルが来て、その安いときに不動産を買って売り飛ばせば2倍で売れたのは誰もが知るところ。賃貸だったら、賃貸料が高騰してNHKの目算通りとは行かなかった。
それは兎も角も、「『日本型デフレ』米欧懸念・決め手欠く中央銀」というのはお笑いであった。米欧の経済学者というのは所詮大した人達ではないことが分かってしまった一瞬だった。
それは、低金利政策、ゼロ金利政策という従来の経済学の教科書が想定していない事態になったとき、未だに従来型の教科書しか頭に思い浮かばないと言うことである。
しかも、その実験を日本は延々と10年上続けて、まだそのメカニズムさえつかめていない。
米国型、別の言い方をすればIMF型の経済政策というのは、ゼロ金利政策では機能しないことが明らかなのに、その米国経済学者が分からない。
それだから日本の経済学者に解るはずがない。
そして充分解っている筈のゼロ金利政策の弊害。
それに対して何とか触れないで本質の外堀を掘るだか埋めるだかしているのが、例の「飛行機から金をバラ撒く」という米国のエコノミストの理論。
そうでなければ日銀券ではなく「政府紙幣」を大量に発行して、インフレにせよという無謀な理論。
この理論を体現したのが、公明党にそそのかされてバラ撒いた「定額給付金」。そして、民主党の子ども手当て、高校無料化その他のバラ撒きである。
結局、「定額給付金」も「子ども手当」もほとんど貯蓄に廻って、経済効果はあまりなかったという結論は、元々解っていたことであった。
しかし、ここで再確認したと言うものである。
そして、経済政策としてほとんど効果がない、ゼロ金利政策や低金利政策をなぜ止めないのか不思議でならない。
考えてみれば分かる事で、ほぼゼロ金利の低金利であるなら銀行はリスクのある貸し出しをせず国債を買っていれば充分儲かると言うことである。
日本だけが低金利政策を実施していた頃は、円キャリートレードという日本の銀行から金を借りさえすれば儲かったという悪弊。
しかもそれがあのリーマンショックの遠因と言われているからとんでもないものであった。
これがもし高金利に移行すれば、国債を買っていては赤字になるから何とかして貸し出しを勧める。しかも、高金利なら多少のリスク回避も出来ると言うものなのである。
結局、金利、利子という循環材がなければ金は動かないと言うのが真実ではないだろうか。