グットウィルのGREGALIA Enforcer-i7Kというゲーミングパソコンを試用することになった。
これも自作機で同じマザーボードASUS P8Z77-V+CPU IntelCore i7-3770Kを使っているよしみで、多少辛口で評価紹介してみたい。
このグットウィルというのは、株式会社ユニットコムの会社なので系列社で同じようなものが出回っているかもしれない。
しかし、このGREGALIA Enforcer-i7Kというゲーマー向けパソコンとしてBTOされているものは、すべて市販の製品で構成されている。
従って、自作代行のように見えるがPCケースによってパソコンの種類を選択するということになっていて選択の幅は狭い。
以前自作パソコンは、PCケースで決まると述べたことがある。これはそのままBTOパソコンにも言えることで安物ケースであると後々苦労することがある。



ここで今回の実機「GREGALIA Enforcer-i7K」について断っておくと、DirectXのエラーによって3DMarkその他のBenchmarkが起動できなかった。

これは何人かの間を渡ってきて、誰かがインストールしたDirectXのアンインストールエラーの失敗によるものであろう。
しかも、OSのメディア(OEM DVD)も入っていなかったので、リカバリもOSの再インストールも出来ない結果である。


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マザーボードASUS P8Z77-V
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このEnforcer-i7KにはASUS P8Z77-Vという高性能のマザーボードが使われている。
ASUS P8Z77-Vがどんなものであるかは、実機のEnforcer-i7Kでは付属のソフトがインストールされていないので試すことは出来ない。
(購入者は付属のDVD又は、最新版のASUS P8Z77-Vサイトからインストール出来る、但し、保証外になる可能性もあるので要確認。)
そもそもソフトがインストールされていないのならば、ASUS P8Z77-Vである必要もない。精々P8H77-VというP8Z77-Vの半値以下で買える格安マザーボードで充分である。
それでもメーカー製の安物マザーボードとは違って、すべて熱耐久性のある個体コンデンサー(100% All High-quality Conductive Polymer Capacitors)が使われている。

それで折角なので自作機の方のマザーボードASUS P8Z77-Vを使って、多少後段で説明する。


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PCケースCM Stormシリーズ Enforce
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ゲーミングPC用の新しいブランドのStormシリーズ Enforceが使われている。
ところがこのEnforceは、Cooler Master HAF 912 Advancedという高性能ケースの兄弟分である。これはフロントのプラの部分などが違っているだけで、鉄部の本体はほとんど同じである。
但し、天板の20センチの空冷ファンはつけられていない。
従って、ケース自体はかなりがっちりしたもので、最近の「Storm Scout 2 Gun Metal」に比べるとPCケース設計が違っていることが分かる。
このことも以下に説明してゆく。
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ここで取りあえずGREGALIA Enforcer-i7Kの実機構成を記載してみる。
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かなり高性能部品が使われている、マニアックなものであることが確認出来る。
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REGALIA Enforcer-i7K
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●OS--Windows(R) 7 Home Premium 64ビット(OEM???)
●CPU--Intel Core i7-3770K(BOX)
●メモリ-16GB Corsair VENGEANCE・CMZ16GX3M2A1600C 10 8GB x2
●HDD/SSD-2TB WD Green 2TB 、WD20EZRX
●CPUクーラー--IntelリーテールCooler(BOX)
●ドライブ--LG 24倍速スーパーマルチドライブ+ソフト付き
●グラフィックカード-GeForce GTX 680(GIGABYTE VGA 2GB、GV-N680OC-2GD)
●電源--850W、80PLUS GOLD(SilverStone SST-ST85F-G)
●PCケース・CM Stormシリーズ Enforce  SGC-1000-KWN1-JP

●その他、マザーボード用スピーカー(Enforce付属品)、部品箱、及び全付属ドライバーソフト、マザーボード添付品、電源、ケース付属品SLI、無線LANアンテナなど、グラフィックカード添付品など
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この構成で174,900円 (2013年4月21日現在)







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ここで(2013年4月21日現在)の価格を送料無料で価格コム又は、安心して買えそうなところの価格の最低線で拾ってみた。

OS************Windows 7 Home Premium 64bitOEM    10,950円  Amazon
Microsoft Windows7 Home Premium 64bit 日本語 DSP版 + メモリ [DVD-ROM]


CPU*********** Core i7-3770K BOX                   31,800円 A-Price
Intel Core i7 3770K

マザーボード*** ASUS P8Z77-V                     17,344円 Amazon
ASUSTek Intel Socket 1155 DDR3メモリ対応 ATXマザーボード P8Z77-V


Memory*******CorsairCMZ16GX3M2A1600C10 8GB x2   16,380円  ヨドバシ

HDD*********HDD 2TB WD20EZRX                   7,629円 ノジマ
WD Green 3.5インチ 内蔵HDD 2TB WD20EZRX

Graphics******GIGABYTE、GV-N680OC-2GD       46,358円Amazon
GIGABYTE  nVIDIA GeForce GTX680  OCモデル WINDFORCE GV-N680OC-2GD


DVDドライブ*** LG製 24倍速スーパーマルチドライブ 3,000円(バルク)

電源*******850W SilverStone・SST-ST85F-G           19,378円Amazon
SilverStone POWER SILVERSTONE 850W 電源 SST-ST85F-G-E



PCケース**CM Storm Enforce  SGC-1000-KWN1-JP    11,588円Amazon
CoolerMaster ATX PCケース SGC-1000-KWN1-JP (ENFORCER)

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合計 164,575円

差額 10,325円

(価格変更があって、正確な数値は出でいません)

こんなふうに最安値で部品を集めても組み立て代行料にしかならないから、この構成が気に入れば結構自作するより安い。










それでこの構成を持ってしてゲーマーパソコンとしての性能はどうかと言えば、グラフィックカード-GeForce GTX680の性能に負うところが多いから測定するまでもない。
今、メーカー製のゲーマーパソコンとしては、GeForce GTX660が主流で使われている。実際のゲームでは20,000円程度で買えるGTX660で充分でGeForce GTX680では過度ではないかと思われる。
ここでDirectXのエラーの生じなかったHeavenBenchmarkVer4.0、DirectX11のベンチマークを示しておいた。



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HeavenBenchmark4
FPS
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 ↓
30****重いゲームでも快適
 ↓‥‥‥‥NVIDIA GeForce GTX 660(29.1)
 ↓
 ↓
25‥‥‥‥ELSA GLADIAC GTX 560 Ti mini(24.9)
 ↓
 ↓‥‥……玄人志向・GF-GTX560-E1GHD/SHORT(22.0)
 ↓
20****軽いゲームなら快適‥‥玄人志向・RD-HD6870/OC(20.8)
 ↓‥‥‥‥SAPPHIRE VAPOR-X HD7770 GHZ EDITION(19.4)
 ↓
 ↓
15‥‥‥‥玄人志向・GF-GTX650-E1GHD(14.9)

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より軽いものである「ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼア」では計測するのも意味がないような高い数値になっている。





又、使われている三連空冷ファンの効果は大きく、GeForce GTX680の温度は55℃までしか上がっていないのは優秀、しかも静音。



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PCケースを含めた静音性の疑問点など
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この構成で気になったのは、騒音がかなり高いということであった。
測定時に自作パソコンを3台起動させておいたのだが、このREGALIA Enforcer-i7Kだけが騒音において極めて存在感があった。



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それこそ自作パソコンを作る上では「いらだつ」音量と雑音で、一瞬全部組み替えてしまいたくなるほどであった。
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ただし、使い込まれたPCでエージングというのもおかしいが、このエージング後は多少静かにはなっている。

パソコンの種類をケース名で書くと

1、Antec ThreeHundred(4チャンネルFanコントロール)
2、Cooler Master HAF 912 Advanced(2チャンネルFanコントロール)
3、ZALMAN Z9 U3(ASUS P8Z77-V)(ケース付属1チャンネルFanコントロール)


これらはファンコントロールが入っている又は、静音ケースファンを採用しているなどのもの。


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ここで実機GREGALIA Enforcer-i7K音の出所を探ってみると

1,CPUファンが高速で回って、金属音を発生する。
2,HDDのWESTERNデジタルWD20EZRXが太鼓を打つような金属音を発生させる。
3,フロントファンが木製床などと共振して重低音を発生させる。
4,排気のケースファンの唸り
5,総合的にケース全体から風切り音、重低音が発生する。

こんなところである。
その他の発生源はGIGABYTE、GV-N680OC-2GDの三連空冷ファンと電源ファンぐらいなもの。




ここでPCケースのStorm・Enforceは、HAF 912 Advancedと双子でケースとしてはほとんど同じもの。

それでフロントファン対策としては、
1,フローリング床の時は、防振シート又はゴム系の床材に載せる。
2,ファンコンを導入して気にならないくらいまで回転速度を下げる。
3,20センチ空冷ファンを12センチ静音ファンに交換。
ということが考えられる。

小生の自作機のHAF 912 Advancedでは、低周波騒音は感じていないがファンコンで300prmまで落としている。



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CPUファンの金属音やHDDの起動音は、小生のCPUファンや同じく現在使用しているWESTERNDigital WD20EZRXでは気になるほどに起きておらず、製品そのものの不良と考えられる。
しかし、こういうことが気にならないように、静音のCPUクーラーやSSDの選択というのもあると思われる。

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その他の問題点・PCソフトの件
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このマザーボードASUS P8Z77-Vは、アンテナと付属ソフトを入れることによって無線LANのパソコンになる。(Wi-Fi GO!)









この点、実機では作り込まれているがアンテナは接続していないし、ソフトも入っていない。
又、P8Z77-Vの専用ユーティリティを入れることにより、本来の機能のAuto Tuning機能やWindows上からのオーバーClockが可能になる。
そのほかにLG専用のサイバーリンクメディアスイートもインストールされていないので、動画鑑賞、ライティングにはインストールする必要がある。
☆Windows 7 Home Premiumのインストール状況が不明。











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グットウィルのGREGALIA Enforcer-i7K の感想・総論
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Enforcer-i7Kは、過度と思われるほどの高性能の部品を組み合わせてゲーマーパソコンに仕立て上げている。
価格は、高めだが部品単品を購入してもさほど大きく変わらないほどの、価格としてのCP(コストパフォーマンス)は高い。
しかし、部品が良いから快適に楽しめるというものではなく、リテールクーラー仕様ではCPU-Intel Core i7-3770Kの性能も静音性も確保出来ていない。
又、Windows 7を使う以上ゲーマーパソコンとしてはSSDを起動ドライブにするのが必須でこれも静音性を損なっている。

そのほか「CM Stormシリーズ Enforce  SGC-1000-KWN1-JP」という高性能のPCケースを使うもののその良さを生かし切れていない。それは、自作機として空冷ファンを追加したりするベースなら良いとしてもBTO機としては不向きではないだろうか。

こんな訳で、小生としてはもう少し仕様変更した上で、もっと使えるPCにしたらと思われてならない。







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