SSD導入とその問題点を探る その3

●前回SSDのFWの更新やSecureEraseなどを使って初期化すると言うような事を書いた。このFWの更新やSecureEraseをすると言うのも結構厄介で、CD-Rに焼き込んで実行したりUSBメモリーにISOファイルを読み込んで実行したりする。
又一方で、最近ではIntelやOCZ、Samsonなどでは専用のツールを公開している場合もある。
しかし、こういうことをすると言うのは実は自作パソコンであって、その上起動ディスクでは不可能に近い。
取り合えずメーカーでは起動ドライブとして使わない様にと書いている。
しかし、起動用ドライブとしてSSDを使わない限り高速読みだし、書き込みの意味は無くどうしても起動用として使うと言う事になる。

●特にメーカー製のパソコンに起動用のSSDとして組み込まれたものは、そんなことをする必要がないと言うより出来ない。

元々OSをインストールする前に最新のFWをインストールする事になるので、当面のファームウェアの更新というのは考える必要がない。
そして、SecureEraseを使って何らかの形で初期化してしまうとOSのインストールをしなければならないからこれも実際は使わないと言う事になる。

それではSSDをWindows7の状況下で使うとするといくつかの機能が無効になり、又いくつかの機能を使う事になる。

現実の確認作業としては(確認出来る技量があれば)

◯自動テグラグが無効になっていること
(テグラグの効果はなく、寿命を縮める)

◯Trimコマンドが有効になっているかどうか
(Trimコマンドは、SSDの書き込み低下を低減させるために、OSがSSDにあらかじめ物理消去してもよい論理アドレスをSSDに通知する。これによって、SSDは通知を受けたブロックを未使用状態に戻す。)

◯スーパーフェッチ(Superfetch)がOFFになっているか
(頻繁に使うデータを先読みしてアクセスを高速化する機能。)

◯フェッチfetchがOFF

書き込み/読み出しを「ページ」と呼ばれる単位で行い、消去は、複数のページをまとめた「ブロック」という単位で行なう。
SSDはHDDと違ってデータの上書きと言うことはできない。
従って、ページ内のデータを変更する場合、そのページを含むブロック全体のデータを空きのあるブロックに待避、消去を行なった後に、変更したデータをブロック全体を書き戻すという「ブロックコピー」と呼ばれる処理を行なう必要がある。

こういうことであるからSSDでは読み込みは早くても書き込みは遅い場合が多い。特にウェアレベリングを正確に行うためには記録エリアごとの書きかえ回数を監視して書き込む必要がある。
そこで性能の良くないSSDの場合、読み込みの速さを早くすることで性能をアピールし実は書き込みが遅く、空き領域が中々確保できないというものもある。
そういうものは長期使用によるSSDの劣化とパフォーマンスの低下等が顕著なようである。(最近は改善されつつある。)

つづく