日本崩壊を助長する大前研一氏には野田政権がよく似合う

大前研一『ニュースの視点』というメルマガがある。この論点の題は「野田新内閣発足~リーダー必須の思考力で国難を乗り越えよう。」という虫の良い野田政権の期待論になっている。
大前研一氏というのは、原発事故のあとの菅政権の脱原発に関しても菅政権に助長するかの発言があったかと思うと、電力不足の頃になって一転して脱原発の看板を下ろしてしまう。感じとして大前氏と言うのは日本に住んでいないのではないかという感じが強い。
それはなぜかというと、大前氏の日本に対する論評というのが少し遅れている。
別の言い方をすれば情報不足であって、今やブロガーと呼ばれる人たちの方が驚くほど早く正確な情報を伝える。
これを不正確な情報であるとか、出鱈目な素人のリークであるとかいう人達もいる。しかし、流された情報や意見は必ず検証されて真偽が確かめられるという新聞などのように「裏を取る」ことも行われている。
こういう情報伝達から見ると大前氏の言い方は、精々新聞止まりである。
従って大前氏の「野田新内閣発足~リーダー必須の思考力で国難を乗り越えよう。」の第一番に上げられるのは
「▼野田内閣の人事は、それなりに評価できる」
という失笑をかいそうな題である。
その前段において代表戦のことをくどくどと書いているが、そんな話は過去のことで論評に価しない。
そしてこんな風に続くのである。
今回の閣僚人事の評判はあまり良くないようですが、私はそれほど悪いものとは思っていません。党3役の幹事長に小沢氏に近い輿石氏を、政調会長代行に自民党と対話ができる仙谷氏を任命するなど、小沢氏と対立し自民党からは叩かれまくるばかりだった菅政権に比べると、もう少し落ち着いて仕事を進めることができると思います。
あまりにも喧嘩腰の人事を組んでも結局物事は前に進みませんが今回の人事はそれなりに評価できると感じています。

大前研一氏と言うのはこんな程度でしか考えられないと言うのなら、ここの経営コンサルタントに任せたらろくなことにならないという証明になる。もっとも大前研一氏のコンサルの良い評判を聞いたことがないが。

参議院議員の輿石氏を幹事長に据えたのは、解散総選挙はやらないという意思表示であるというのは既に識者の統一意見になっている。それは参議院議員が衆議院議員の選挙対策が出来るわけがないということにつきる。それだけでなく輿石氏というのは日教組の親玉といわれる人物で文部副大臣に日教組の闘士を送り込んでいることからも評価出来るなど口が裂けても言えまい。
そして、「政調会長代行に自民党と対話ができる仙谷氏を任命」と評価するのもへえそうですかとだれでも思うだろう。国民から見れば菅政権そのままだった仙谷氏の起用は、菅政権の政策を引き継ぐと民主党内に宣言したと言うことではないか。
次に大前氏はまたまた経営コンサルタントとは思えない発言をしている。

また野田新首相自身について財務省の操り人形などと揶揄されているようですが、財政改革が必須である今の日本経済の状態を考えれば、適任と言えなくもありません。

デフレの中での増税がどんなことになるのか大前氏が知らないわけではあるまい。そして増税の前に景気対策というのが常套手段であり、増税によって財政改革を成功した例はない。そして、次に指摘していない閣僚人事で安住淳財務大臣を起用するというのは、財務大臣は財政政策を何も知らない人物が良いと言うことであって、決して国民のためではない。
財務副大臣に増税派の五十嵐文彦氏。しかも後ろに党税制調査会の会長に藤井裕久氏を起用。(野田政権 さっそく消費増税シフト・しんぶん赤旗
大前氏は情報不足から

ただし時間不足の組閣だったため、事前の『身体検査』は十分とは言えないでしょう。おそらく閣僚のなかから、何人かは脱落すると思います。現時点で最も有力なのは、防衛相に就任した一川氏です

と言う風にノーテンキな事を言っている。
指摘している一川防衛相と指摘していない山岡賢次国家公安委員長、消費者・拉致担当大臣。
一川防衛相は元々農林族であるがこの一川防衛相と、今でもマルチ商法と献金問題の係わり合いを新聞で指摘されている山岡賢次国家公安委員長、消費者・拉致担当大臣。
ともに小沢グループに属して問答無用で小沢氏から押し込まれた人選。
大前研一の指摘する「身体検査」以前の問題である。
山岡賢次拉致担当大臣としては拉致問題に関して全く無関心で、以前拉致に関するアンケートにも答えなかった人物としても有名である。

誰がこんな人物を重要閣僚の防衛相や国家公安委員長、消費者・拉致担当大臣にしたのかと言えば野田総理である。

次の段では、大前研一氏がいつの段階でこの記事を書いているのか不思議な展開である。
▼野田新首相に求められるリーダーとしての能力とは?
ここでは、
こんな記述がある。
「野田新首相の1つの問題としては、『戦争責任』問題があります。私は個人的に野田新首相にはこの件についてアドバイスをしていますが、ちょっとでも誤った発言をすれば、日中・日韓の関係性は乱れてしまいますから、日本のリーダーとして慎重な姿勢を見せる必要があると思います。
中略
例えば野田新首相の場合で言えば、『戦争責任』について重要な発言をポロッと言ってしまう前に、『本当に自分の考えで良いのか?』をチェックできるかどうか、それが重要だと思います。
 極端な言い方をすれば、中国に友人がいて
 『私は中国に対して、こういうことを述べたいのだが、どうだろうか?』
 と事前にチェックできれば良いのです

ここまで来ると大前研一氏というのはどう言う神経なのかと言うことと、情報不足という点でコンサルタントとしては大失格であろう。
なぜなら、野田総理は既に「靖国神社に参拝しない」と広言し、かっての自分主張を一切封印してしまった人物である。
従って、大前氏の「右派懸念」というのは取り越し苦労である。
そして歴史認識という点からすれば、大前研一氏と言うのはリベラルな米国人と全く同じであって、日米開戦は民主主義国米国が独裁国家日本を潰したという米国が正しい論に組することがわかる。
しかも、国家の基本政策を中国人(スパイ・外交官)などに事前チェックさせろとは、菅前総理が韓国に「日韓併合謝罪文書」の内容を韓国に問い合わせたのと同じ感覚である。

そして、野田総理が本来大批判され、しかも信用出来ない人物であるという評価は「自らの主義主張をあっさりと捨ててしまう人物」と言うことである。

穿った見方をすれば、そんなことも理解出来ない大前研一氏というより、野田政権に何やらすりよって旨い密が吸いたいと波風を送っている卑しい大前氏という見方さえ出で来る。